アピメディカ&アピクオリティー2008に参加して


 松 香 光 夫

 20086912日まで、ローマ大学トルヴェルガータ校の会議場で行われた表記の会議(以下、アピメディカと略)に参加する機会があったのでその様子を報告する.この会議には、内藤副会長の参加も予定されていたが、都合で不参加となり、会場では内藤さんによろしくという多くの声もあったことを付言したい.

この会議場はローマ市の南東20 kmに位置するフラスカティの丘の上に1573年に建築され、最近になってローマ大学に移管されたという、ヴィラモンドラゴーネと呼ばれているお城の趣のある会議場であった.それだけに俗世から隔離された感じの会議となった.

アピメディカ2008は、2006年にギリシャで行われたアピセラピー・フォーラムに続く第2回目のフォーラムである.

会議の名称から分かるように、2つの流れが合体したものである.これらの流れはアピモンディアのアピセラピー分科会が推して来た方向性に一致するのだが、多くの人々にミツバチ生産物を安心して使ってもらい、健康向上に役立てるために、生産物の品質向上の確保をしようというアピクオリティー(この言葉は新しい用語のように思う)の面と、生産物を医療のツールとしても使えるように、科学性を高めていく方向である.

参加国は43、参加者は110名程度のようであった.イタリアからの参加が半分ぐらいとすると、各国からハチミツそれぞれ1、2名というところか.日本からの参加者は、内藤氏が来られなかったので、神戸大の金沢夫妻(発表の一日参加)と、山田養蜂場の田中氏であった.

会議の流れは下記のようであった.

 9日:開会式、アピクオリティー(Best practice Quality standards Bioindicators Bee health

10日午前:アピセラピー (Bee venom Health & Immunity)

午後:アピセラピー(Medicinal bee plants

11日午前:アピセラピー(Honey

午後:アピセラピー(Pollen Propolis Royal Jelly

12日:アピセラピー(Clinical New drug)、宣言採択・閉会式

アピモンディアには、もう一つ独立した国際ハチミツ委員会(IHC)があり、ハチミツだけでなくローヤルゼリーを含む生産物の国際規格を検討してきた.ボグダノフ委員長もまた今回の会議の立役者の1人で、初日午前中に委員会の活動を紹介し、その中で、ローヤルゼリーの規格についての考え方が間もなく発表されるとのことだった.

私は本年(2008年)3月から全国ローヤルゼリー公正取引協議会の会長という立場をいただいたので、「日本におけるローヤルゼリー市場と研究の動向」というテーマで発表を申し込んでいたところ、会議の初日午後にプログラムが組まれていた.全国ローヤルゼリー公正取引協議会ができる前に、一度アピモンディア(1983年、ハンガリー)で、現在玉川大学吉田忠晴教授との連名で発表してもらったことがあるが、それを振り返って、その時以来の状況を紹介した.特に、公正取引協議会がRJの品質安定と消費の増進に果たしてきた役割、また食品としてのRJに関する研究を推進してきた状況などについて紹介した.第2回のアピメディカ、それもイタリアでは初めてのアピセラピー関連会議ということで、なじみの薄い参加者にもわかりやすい総説的な発表も多く、まとめた考え方が提示されており、有り難かった.規格から、ミツバチの健康、異常気象との関係、ミツバチ生産物の基礎研究、また臨床応用に至るまで広く扱われていたが、ミツバチの健康(ウイルスがいくつか話題になっていた)や、異常気象はとってつけたようなという感じで、花粉と、ハチミツの抗酸化性が注目を浴びているのか、比較的多く取り上げられていた印象が残った.何れの問題も情報の元が多く得られた感じで、参照しなければならない事も多く、キチンとした情報としては何れ、改めてまとめてみたいと思っている.世界規格の検討についても今後の関与が出来るような体制が待たれる.

毎日午前・午後それぞれにイタリア式の長めのコーヒーブレイク(いや失礼、イタリア式ならもっと長いのかも)、お昼のビュッフェ、1回は合唱付きのパーティー(これもビュッフェスタイル)と、山の上という隔離環境、簡単ながら食事付きという条件で、抜け出にくい状況で色々な勉強をすることになった.

今後にもつながる意義深い会議であったと思うが、私が直接関係したローヤルゼリーは、上記のものに加えてもう1件、ギャルマン氏の総説が良くまとめられたものがあったのみで、蜂毒療法関係は発表が少なかった.また、金沢教授の発表は、遺伝子レベルでプロポリスが大腸・肝がんを抑制するメカニズムと分子生物学的なレベルの高いもので、参加者の理解がどこまでか不安があり、ちょっともったいなかったかという感じがあった.

会議の後、ローマからブカレストに飛び、クリスティナ・マテースク氏のお世話で、駆け足だったが、念願のルーマニアのアピセラピー・クリニックを訪ねることが出来たのは、嬉しかった.

アピセラピー2(2): 2-3 (2008)より

 
 開会式の様子

 


 会場の様子
 

古典的な回廊でのパーティー